インダストリアルデザイナー S氏
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- エルグは人の指・手・体へのやさしい気持ちからデザインされました。
“弱者にとって使いやすいものは、すべての人に使いやすい”というユニバーサルデザインの考え方は、さまざまな道具やサービスのデザインを考えるうえで、いまや標準的な考え方です。
エルグは従来型のシザーの基本形に縛られることなく、ユニバーサルな考え方を本質的に考え人間工学の見地からデザインされました。
日本において、美容師・理容師ともに高齢化しています。
そんなベテラン理・美容師さんにとって、長い立ち仕事や大勢のお客様への施術は体にこたえます。
従来のシザーの持ち方は、ひじを上げ小指を吊り上げるようなポジションでの施術となり、シザーの持つ腕の前腕筋肉などへの負担は大きなものです。
そのストレスから解放することで、筋肉の非力さを感じさせずに、より楽に“技”を思う存分発揮させてほしいと思います。
エルグは、従来の直感的な、または逆ゾリのハンドルに指をのせるのではなく、卵を握るように指をふわっとアーチ状のハンドルに乗せる。
そんな楽なポジションを提案しています。
より快適な立体形状を作り上げるために、ワイヤーカット製法ではなくロストワックス製法よるハンドル製法を採用しています。
指を受けるハンドルはたっぷりと幅があり、細部の形状は立体的な造形にし、さまざまな指の動き・指の向き・力の入り方を快適に受けるよう、手の大小にも許容できるよう、親指リング・小指掛けなどの面の方向やR形状の工夫を細部に渡り施しました。
さらに余分な部分は肉抜き=軽量化に配慮しています。
エルグはやさしさの塊です。
最初はちょっと慣れないポジションかもしれません。
しかし慣れてしまえば快適なポジションとなることと思います。
少し変わったシザーですが、若い方からベテランまで、是非一度手にとってお試しいただければと思います。
きっと、あなたの手にしっくりと馴染み、最強のツールとなることでしょう。